こんにちは、黎明塾のきたです。
イスタンブール三日目。
古代オリエント博物館にて、カデシュ条約が記された粘土板を見てきました。
カデシュ条約は、世界最古の和平条約として有名な条約です。
ラムセス二世率いる古代エジプトと世界で初めて製鉄法を編み出したとされているヒッタイト帝国との間で紀元前1269年に締結されました。
この和平条約では、ラムセス二世にヒッタイト皇帝の娘を嫁がせることが約束されました。
そんな昔から婚姻関係による同盟があったんですね。
ちなみに、ヒッタイト帝国が世界で初めて製鉄法を編み出したとされているという言い方をしたのには理由があり、
ヒッタイト帝国の首都ハットゥシャの遺跡からは製鉄法が記された粘土板が出土しているにも関わらず、
実際に鉄や鉄を製鉄するような施設が発見されていないため、
製鉄法に関してはまだ謎が多いのです。
しかし、当時のヒッタイト帝国が世界で最も富める国であった古代エジプトと互角に戦ったというのは事実です。
ヒッタイト帝国は、中央アナトリアの厳しい環境にありながら、戦争によって周辺の国を次々と征服し勢力を拡大していきました。
最後は海の民という謎の民族に侵略され、いくつかの小さな都市国家に分裂してヒッタイト帝国は滅びます。
遠い昔の人々の暮らしや、未だに解明されていない歴史上の謎をあれやこれやと想像するとわくわくします!
メソポタミア文明は歴史の中でもお気に入りの時代なので特に!
古代オリエントの次は、
東ローマ帝国のキリスト教美術を見にカーリエ博物館へ。
前身はコーラ教会という名称で、オスマントルコの時代にはモスクに改修され、内部の装飾が漆喰で塗り固められたという歴史を持つ博物館です。
20世紀の修復で、漆喰は取り除かれました。
漆喰の下になっていたモザイクが所々剥落はしているものの、キリストの物語や聖母子像は美しい金の輝きを放っていました。
また、やや退色はしているものの色鮮やかなフレスコ画も美しく、却って神聖さを醸し出していました。
それではこのへんで。