こんにちは、黎明塾のきたです。
中原中也という詩人を皆様ご存知ですか?
1907年に生を受け、30歳という若さで亡くなった「夭折の詩人」です。
さわやかなのに悲しく、あたたかいのにさみしい、読むとなぜか心を揺さぶられる
そんな彼の詩が最近お気に入りなんです。
帰宅して詩を二、三編読んで、ふぅと一息つく。
落ち着くような、でも心がざわつくような・・・矛盾した感覚を楽しんでいます。
なので・・・今日はお気に入りの詩を紹介したいと思います。
汚れっちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる
汚れっちまった悲しみは
たとえば狐の革衣
汚れっちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる
汚れっちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れっちまった悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れっちまった悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れっちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる……
「汚れっちまった悲しみに……」より
ゆうがた、空の下で、身一点に感じられれば、
万事に於いて文句はないのだ。
「いのちの声より」
神社の鳥居が光をうけて
楡の葉が小さく揺すれる
夏の昼の青々とした木陰は
私の後悔を宥めてくれる
「木陰より」
いかがでしょうか?
なんだか分からないけど、
泣きたくなるような、
ひんやりとした風を感じるような・・・
まだ何編かあるんですが、
ちょっと暗すぎてドン引きされそうなのでやめておきました。
詩集を読んでみたい方はきたまでどうぞ。
レンタルしますので。
それではこのへんで。